今回は「神前式で身につける衣装」についてご紹介します。
神前式ってウェディングドレスのような華やかさって無いんでしょ?と思われる方もいらっしゃると思います。実はとてもキレイな衣装があるんです。今日は、奥深い着物の世界に貴女を誘います。
また神前式って素敵だけど、着物を着たこともないし選び方やマナーも分からないと悩んでいるカップルに向け、神前式で身につける衣装の基礎知識も合わせてご紹介させていただきます。
1.新婦のご衣装
白無垢・色打掛・黒引き振袖
の3種類!
神前式で新婦が着用する衣装は大きく分けて、白無垢・色打掛・黒引き振袖の3種に分類されます。この3種は最も格式の高い婚礼衣装となります。結婚する新婦しか着ることを許されません。
また、神前式の華は新婦となります。式が華やかになるよう、楽しみながら選んでみてくださいね。
1-1.白無垢
和装挙式の王道衣装の白無垢!
日本の婚礼衣装では最も格式の高く、白無垢は結婚する新婦だけが着ることを許された衣装です。
白無垢の白には「潔白」、「純白」、「嫁いだ先の家風に染まる」という意味があり、これから新しい家にお嫁に入る衣装にふさわしいという、日本らしい理由があります。
白無垢ヘアアレンジのご紹介
白無垢のバックグラウンドを知って着てみたくなったけど、「白無垢ってどれも無地の白で種類も少ないのでは?」とイメージされたかもしれません。
自分に合った白無垢を選びたい貴女に朗報です!実は白無垢には、素材の違い・刺繍の違い・織り方の違いがあります。
<素材の違い>
☆正絹(しょうけん)☆
天然の絹素材です。天然の絹は少し黄色みがあり、落ち着いた光沢感と手触りの良さが特徴です。素材が軽いこともメリットとして挙げられます。
☆交織(こうしょく)☆
絹と化学繊維の組み合わせになります。縦糸が絹で横糸が化学繊維です。
☆化繊(かせん)☆
全て化学繊維で作られた、白無垢です。化学繊維のため素材の中では一番白に近い色をしています。絹と比べると手触りにざらつきを感じます。
<織り方>
☆緞子(どんす)☆
生地の表面がなめらかで光沢が美しく、織模様がくっきりと浮かび上がりとても豪華な印象となる織り方です。緞子織りは花嫁衣装にふさわしい、
最高級の織物です。
☆錦織(にしきおり)☆
1200年以上前に日本に伝わった高機(たかばた)という機を用いて手織りされてきた、多彩で精巧で豪華絢爛な絹の織物です。
<着物の柄>
和装で演技が良いとされている柄は、鶴や鳳凰、松竹梅などがあります。華やかさを出す、桜や牡丹も人気のある柄です。
白無垢は、神前式に華を添えるための工夫や伝統技術がふんだんにあしらわれた衣装なんです!こうした知識を知っていると、神前式の歴史をより一層楽しむことができると思います。
1-2.色打掛
華やかさ際立つ色打掛!
色打掛は白無垢と同格の花嫁衣装です。白無垢は全て白色で作られていますが、色打掛は様々な色でカラフルでゴージャスに作られています。自分の好きな色を自由に選ぶことができることも魅力です。
最近では、レース素材をあしらったドレス感覚で着用できる打ち掛け「新和装」も人気があります。また掛下とコーディネートし、自分らしく色打掛の着こなしを楽しんだりする花嫁もいらっしゃいます。お色直しで白無垢から色打掛を纏うのも良いと思います。
神前式やフォトジェニックな記念写真の撮影に使用することをオススメしたいです!華のある色打掛ぜひご検討してみてくださいね!
1-3.黒引き振袖
黒でフォーマルに美しく!
黒引き振袖は白無垢とは意味合いが異なり、「他の誰にも染まらない」という意味が込められています。このことから「固い貞操」をイメージさせる和装でもあります。
黒引き振袖は名前のごとく色は黒です。通常の振り袖と異なるポイントは、「おはしょり(丈調整のため腰部分に作る生地の余りのこと)」を引いた着方をする振り袖のことです。そのため裾をひきずりながら歩くスタイルになります。
また振り袖は未婚の女性が着る着物となります。つまり結婚式が「振り袖を着ることができる最後のチャンスなんです。その中でも一番格式が高いとされるのが、黒引き振袖となります。
1-4.白無垢・色打掛・黒引き振袖の違い
和装の結婚式を挙げることを思いついた時、イメージするのは純白の白無垢ではないでしょうか。ウェディングドレスと同じように挙式の目玉となっているため印象に残っている方もたくさんいらっしゃると思います。
衣装で人気があるのは、白無垢で次に色打掛です。同じような形ですが、華やかで写真映え模するので若い女性から人気を集めています。
ココでちょっと質問です!
白無垢・色打掛・黒引き振袖の違いってなんだと思いますか?
答えは、「動きやすさ」です!
一番動きやすいのは「黒引き振袖」です。和装は掛け布団を着込むようだって聞いたことありませんか?黒引き振袖だけは打掛を羽織らないので着込む数が少ないので、シルエットがすっきりし、軽くて動きやすいんです。
綺麗で格好良い衣装が3種類もあると、どれを着るかかなり迷いそうですね。実際に試着して自分に合ったものを選んでくださいね。
また和装は振り返り美人という言葉もあるように、後ろ姿が美しいことも大切です。自分の後ろ姿の確認もしてみることをオススメします。あなたの魅力で旦那様を幸せにしちゃいましょう!
2.新郎のご衣装
妻のためにカッコよく
黒五つ紋付羽織袴で!
新郎が神前式で身につけるのは「紋付き羽織袴」になります。中でも最も格式が高い、結婚式で着られるのが「黒五つ紋付き羽織袴」です。
明治時代に「太政官布告」という法令で「男性の正装」として定められた伝統的な装いです。「黒五つ紋付き羽織袴」という名前の通り、背中・胸・両腕の5ヶ所に家紋が入っています。
紋付羽織袴には他にも種類があり、白・紺・グレーなどカラーバリエーションがあります。色つきのものは家紋が1つor3つが基本となります。着物の家紋の数が少ないほうが衣装の格式が低くなり、カジュアルな装いとなります。間違えないようご注意ください。
羽織袴の家紋は、本来自分の家の家紋を入れますが、レンタル衣装には誰でも使えるように「通紋」が入っていることが多いです。こだわりが無ければそのまま使用することができます。
もし自分の家の家紋を使いたい場合は、市販の家紋シールで同じ家紋を探し貼り付けることもできます!
最後に自分で用意しなければならないものをご紹介します。
☆肌着(襟元から見えないようにVネック)
☆すててこ
☆足袋(たび)
上記の3点は私も自分で用意しました。足袋は足元で目立つため、自分のサイズに合ったものを用意するようにしてくださいね。
3.まとめ
和装結婚の衣装はいかがでしたでしょうか?
まだまだ和装結婚や神前式って日本の伝統文化独特の小難しさがあります。結婚式前に神前式に必要なマナーやしきたりを勉強してみてくださいね!
神前式の服装のポイントは、新郎と新婦の衣装の格を合わせることです。新婦が白無垢なのに新郎が家紋がない衣装を着ていたらおかしいですよね。とても恥ずかしいミスになるのでご注意ください!
また普段着慣れていない、和服を纏うので、試着の時点でスタッフの方と着心地や動きやすさなど確認してみてください。例えば小柄な女性だと白無垢は重いかもしれません。
私の妻は146cmですが、「重い、苦しい」と言いながら白無垢を着ていました。頑張って着ることも大切ですが、自分に合ったものを選ぶように心がけてみてくださいね。
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