今回は「短期滞在で来日しているベトナム人婚約者との国際結婚手続き」について紹介します。
日本人とベトナム人が結婚する上で、ベトナム人婚約者が日本の在留カードを持っていない短期滞在の場合は、在日ベトナム大使館から「婚姻要件具備証明書」を取得することができないため厄介です・・・
ベトナム人との国際結婚手続きにおいて、高難度のやり取りとなります。滞在期間内に結婚手続きが完了できるよう、準備していきましょう。
1.ベトナム人との国際結婚条件を確認
日本人同士にも結婚するための条件があるように、ベトナム人との国際結婚にも条件があります。結婚手続きを始める前に確認しておきましょう。日本人もベトナムの結婚条件を満たす必要がある注意が必要です。
<国際結婚条件>
①結婚する男女の年齢
男性20才以上、女性18才以上
②ベトナムでは夫婦別姓が基本
③同性婚や重婚(二人以上と同時に結婚)は禁止
④ベトナム出国や他国籍取得目的の偽装結婚禁止
⑤夫婦財産制は契約制と法定制を選択できる
⑥結婚が双方の自発的意志によって決められたもの
⑦婚姻当事者が民事訴訟能力を有している
(制限能力者ではないこと)
⑧ベトナム人、日本人が上記の条件を満す
③同性婚について
日本と同様にベトナムでも同性婚は認められていません。
2015年にベトナムの婚姻法から同性婚に関する規定が廃止されました。なので同性で結婚式を挙げても取締や罰金の対象とはなりません。ただしベトナム国としては、OK/NGとも言っていないような状態です。
⑤夫婦財産制について
この制度は、婚前契約とも呼ばれています。
夫婦間で、財産に関係があるような問題が発生した場合(浮気や離婚など)にどうお金を分けるかという話です。
契約制:結婚前に財産の分け方ついてルールを決めておくこと
法定制:問題が発生した場合は法に沿って財産分与を分ける
ということです。結婚前にお互いの意見を合わせておいてください!
⑦民事訴訟能力の有無について
民事訴訟能力の制限能力者とは、
・未成年者
・成年被後見人、被保佐人、被補助人
⇛精神上の障害により判断能力を欠くことを家庭裁判所で判断された者。
2.国際結婚手続き解説(ベトナム人の短期滞在)
<役所の訪問順番>
①ベトナム人民委員会(ベトナム)
⇩⇩⇩
②ベトナム人婚約者来日
⇩⇩⇩
③駐日ベトナム領事館(日本)
⇩⇩⇩
④法務省(ベトナム)
⇩⇩⇩
⑤在ベトナム日本国大使館/領事館(ベトナム)
<手続きの流れと必要な書類>
①ベトナム人民委員会(ベトナム)
<訪問目的>
日本でベトナム人との結婚届を受理してもらうには、ベトナム人の「婚姻状況証明書(独身証明書)」「出生証明書」が必要です。証明書の「使用目的欄」にあなたの名前、生年月日等の情報が必要です。国際結婚目的での来日の場合は、ベトナムで発給手続きを済ませておくことをオススメします。
・婚姻状況証明書の申請書
・出生証明書
・ベトナムの身分証明書orパスポート ⇨ 原本持参の上、コピーを用意
※出生証明書と婚姻状況証明書を日本語へ翻訳を依頼する
⇨人民委員会or専門業者
婚姻状況証明書(見本)
出生証明書(見本)
ベトナム社会主義共和国における身分関係法制調査研究報告書(出典)
ベトナム人婚約者が既に来日している場合
ベトナム人婚約者が来日している場合は、委任状を作成しベトナムの両親に「婚姻要件具備証明書」の発給手続きを代行してもらうことができます。
※申請書のスキャンデータを日本に送ってもらい、記入します。書類は原本が必要となるため、必ずベトナムへ郵送してください!
委任状(見本)
ベトナム社会主義共和国における身分関係法制調査研究報告書(出典)
②ベトナム人婚約者日本来日
日本来日後、委任状を作成しベトナムで書類手続きを代行してもらうことはできますが手間となってしまうため、極力ベトナムで手続きを完了させてから来日することをオススメします!
二度手間とならないよう、焦らず確実に結婚手続きを進めていきましょう。
③区/市役所(日本)
<訪問目的>
婚姻届けの提出を行います。婚姻届は、日本人の本籍がある場所の区/市役所で手続きを行います。次回から、戸籍謄本にはベトナム人パートナーの名前が記載されます。
<注意>
短期滞在ビザ資格の場合、婚姻要件具備証明書が提出できないイレギュラーなケースとなるため、婚姻届が受理されるまで待つ必要があります。区/市役所の担当者が法務局に、婚姻要件具備証明書が提出されなかった婚姻届を受理しても良いか確認を取るためです。これを「受理照会」といいます。
ベトナム人が用意する書類
・出生証明書(日本語+ベトナム語)
・婚姻状況証明書(独身証明書) ⇨ (日本語+ベトナム語)
・パスポート ⇨ 原本持参の上、コピーを用意
・短期滞在ビザ関係の書類一式
日本人が用意する書類
・婚姻届
・身分証明書(パスポートor運転免許証)
<チェック!>
役所で婚姻届受理証明書を作成してください(次の手続きで必要)。婚約届が受理された後、係の方に申し出れば1通350円で発行することができます。
婚姻届受理後、日本人とベトナム人の国際結婚での夫婦同姓手続きも手続き可能です。婚姻届提出から6ヶ月以内が変更可能期間となっています。
④駐日ベトナム領事館
<訪問目的>
最後にベトナム政府へ、国際結婚を報告します。駐日ベトナム領事館から婚姻証明書の発行をする必要があります。
・戸籍謄本(婚姻の内容(ベトナム人の名前)が記載されたもの)
・婚姻届受理証明書
・夫婦のパスポート ⇨ 原本持参の上、コピーを用意
お疲れさまでした。以上でベトナム人婚約者短期日本滞在での国際結婚手続きは完了です。無事結婚おめでとうございます!これから幸せな家庭を築いてください!
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